ビルダー探訪・・・Cranchi社(イタリア)
昨年春にとうとう日本上陸を果たした、世界55もの国に輸出する非常に評価の高いイタリアのボートメーカ・クランキ社。
正規輸入販売元となったのは、逗子マリーナやシーボニアマリーナ等を有するリヴィエラ・リゾート。
2014東京国際ボートショーで初お披露目したのは、クランキのフラッグシップとなる66フィートのフライブリッジ艇。インハウスデザインによる内装、大胆に表現されたサロンサイドのウィンドウやハルの舷窓周りのシャープなデザイン、遊び心満載のイタリアンモダンを表現した世界の最先端の一艇であることを如実に物語っています。
2014年度の輸入艇部門のボートオブザイヤーを受賞しました。ボートオブザイヤーの受賞全艇のお披露目は、逗子マリーナで盛大に行われました。
クランキ社は1870年創業のファミリー企業で、何と今年で145年の歴史あるトップ・ビルダーだ。
近年多くのビルダーがファミリーでの存続に終止符を打ったり、買収や合併したりと世界的にビルダーは再編の渦に飲み込まれている昨今なので、これだけ長くファミリー企業で存続しかつ成功しているビルダーは数少ないと言えるでしょう。
クランキの生産拠点は、ミラノから車で一時間のコモ湖の北に位置するアルプス山麓のヴァルテリーナ渓谷と呼ばれる地域で、牧畜が盛んで有名なチーズと生ハムの特産品や、知る人ぞ知る素晴らしいワインを生産する処でもあります。
イタリアでも欧米諸国のビルダー同様、50-60フィートのサイズでも内陸で生産しているが、輸送のインフラが余程しっかりしていないと内陸での生産は先ず無理だから、この辺が日本とは全く違うところだと、イタリアの高速アウトストラーダを走る度に感じ入ってしまう。
風光明媚なコモ湖を左手に望みながらクランキ社に到着すると、眼前に迫るアルプスに連なる雪を頂いた山々に思わずシャッターをカシャリ。
アルプスの麓で70フィート近い艇を生産するのを見たら、多くの日本人はビックリするだろうなあと、思ってしまうのでした。
クランキ本社があるヴァルテリーナ地方は、ワインとチーズの名産地でもあります。
クランキ社はこの地域に巨大な工場を二カ所と、ヴェネチアの東のアドリア海沿岸に
これ又巨大なテストセンターとマリーナを所有。
メインとなる生産艇は24から66フィートの21艇種。近い将来70フィートクラスも生産予定だとの事。
トヨタ方式を取り入れた…と言う生産ラインにはホトホト感心してしまった。
一艇を生産する期間がたったの3カ月というのにも驚きで、彼らの弛まぬ努力に脱帽しきりでありました。